
こんにちは、つつみ百貨店、更新担当の中西です。
さて今回は
つつみ百貨店のトピック~お位牌~
仏壇の中心に位置する「位牌(いはい)」は、故人や先祖の霊を祀る“かたちある記憶”です。日常の中で静かにたたずむこの仏具には、深い宗教的・文化的・家族的意味が込められています。今回は、位牌の役割や背景、位(くらい)という考え方、さらには位牌の種類に至るまで、詳しくご紹介します。
位牌は、故人の戒名・俗名・没年月日・享年などを記した木製の札であり、「故人の霊位が宿る象徴」として仏壇に安置されます。
故人との“つながり”を日々の中で保つための存在
祈りや語りかけの対象としての霊的な「媒体」
仏教の輪廻観や魂の供養の実践を具体化する道具
江戸時代、寺請制度のもとで各家庭が“檀家”として特定の寺院と関係を結び、先祖供養が家庭単位で行われる仕組みが整いました。この流れで、位牌は家庭に一つずつ置かれるようになりました。
「○○家先祖代々之霊位」という表現は、家という単位の継承を象徴するものであり、家制度の名残とも言えます。
仏教において、戒名(法名)を授けることで故人は仏の弟子となり、「霊位(れいい)」として尊ばれるようになります。
「霊位」=霊としての敬称(例:○○信士 霊位)
位牌は、この霊位を宿す場であり、仏壇での供養の中心となる
江戸期以降、戒名に「位号(信士、信女、居士、大姉)」を付けることで、生前の徳や社会的地位を象徴化
「位」は、家族から故人へ捧げる敬意のかたちでもある
葬儀・四十九日までの間に使われる簡易な位牌
白木で作られ、火葬後すぐに用意される
本位牌への移行時に寺で「開眼供養(魂入れ)」を行う
四十九日以降、仏壇に安置される正式な位牌
材質は黒檀・紫檀・漆塗りなどが多く、耐久性と荘厳さを重視
書き方:中央に戒名、右に没年月日、左に俗名と享年を記載
夫婦で一つの位牌にまとめる(配偶者が同一位牌に記される)
代々の先祖をまとめた「先祖代々之霊位」は省スペースで管理可能
木目調やアクリル製のデザイン位牌も登場
洋室やマンションにもなじみやすい外観が特徴
現代の住宅事情に配慮しながらも、供養の本質を継承
故人への想いを目に見えるかたちで残す
家族の中に、死を日常の中で受け入れる場を作る
子どもたちに“命の継承”を伝える教育的役割
位牌は、死者を祀る道具であると同時に、生きている人の心の拠り所でもあるのです。
位牌とは、故人への敬意と家族のつながりを象徴する仏具であり、その中には日本人の宗教観・死生観・家族観が凝縮されています。現代では形式よりも「心」を大切にした供養のかたちが求められており、位牌もまた進化を続けています。
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