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つつみ百貨店のトピック~お位牌とは~

こんにちは、つつみ百貨店、更新担当の中西です。

 

さて今回は

つつみ百貨店のトピック~お位牌

 

【位牌の奥深き世界】

仏壇の中心に位置する「位牌(いはい)」は、故人や先祖の霊を祀る“かたちある記憶”です。日常の中で静かにたたずむこの仏具には、深い宗教的・文化的・家族的意味が込められています。今回は、位牌の役割や背景、位(くらい)という考え方、さらには位牌の種類に至るまで、詳しくご紹介します。


1. 位牌とは何か?―意味と役割

■ 位牌の基本的役割

位牌は、故人の戒名・俗名・没年月日・享年などを記した木製の札であり、「故人の霊位が宿る象徴」として仏壇に安置されます。

■ 精神的・宗教的意味

  • 故人との“つながり”を日々の中で保つための存在

  • 祈りや語りかけの対象としての霊的な「媒体」

  • 仏教の輪廻観や魂の供養の実践を具体化する道具


2. 位牌の社会的・歴史的背景

■ 江戸時代の檀家制度と位牌文化

江戸時代、寺請制度のもとで各家庭が“檀家”として特定の寺院と関係を結び、先祖供養が家庭単位で行われる仕組みが整いました。この流れで、位牌は家庭に一つずつ置かれるようになりました。

■ 家族制度と「先祖代々之霊位」

「○○家先祖代々之霊位」という表現は、家という単位の継承を象徴するものであり、家制度の名残とも言えます。


3. “位”とは何か?―戒名と霊位の概念

■ 位(くらい)=死後の地位

仏教において、戒名(法名)を授けることで故人は仏の弟子となり、「霊位(れいい)」として尊ばれるようになります。

  • 「霊位」=霊としての敬称(例:○○信士 霊位)

  • 位牌は、この霊位を宿す場であり、仏壇での供養の中心となる

■ 位牌に込められた“身分”と“敬意”

  • 江戸期以降、戒名に「位号(信士、信女、居士、大姉)」を付けることで、生前の徳や社会的地位を象徴化

  • 「位」は、家族から故人へ捧げる敬意のかたちでもある


4. 位牌の種類とその特徴

■ 白木位牌(仮位牌)

  • 葬儀・四十九日までの間に使われる簡易な位牌

  • 白木で作られ、火葬後すぐに用意される

  • 本位牌への移行時に寺で「開眼供養(魂入れ)」を行う

■ 本位牌(黒塗り・唐木など)

  • 四十九日以降、仏壇に安置される正式な位牌

  • 材質は黒檀・紫檀・漆塗りなどが多く、耐久性と荘厳さを重視

  • 書き方:中央に戒名、右に没年月日、左に俗名と享年を記載

■ 夫婦位牌・先祖代々位牌

  • 夫婦で一つの位牌にまとめる(配偶者が同一位牌に記される)

  • 代々の先祖をまとめた「先祖代々之霊位」は省スペースで管理可能

■ モダン位牌

  • 木目調やアクリル製のデザイン位牌も登場

  • 洋室やマンションにもなじみやすい外観が特徴

  • 現代の住宅事情に配慮しながらも、供養の本質を継承


5. 位牌の役割は「つながりを形にすること」

  • 故人への想いを目に見えるかたちで残す

  • 家族の中に、死を日常の中で受け入れる場を作る

  • 子どもたちに“命の継承”を伝える教育的役割

位牌は、死者を祀る道具であると同時に、生きている人の心の拠り所でもあるのです。


位牌とは、故人への敬意と家族のつながりを象徴する仏具であり、その中には日本人の宗教観・死生観・家族観が凝縮されています。現代では形式よりも「心」を大切にした供養のかたちが求められており、位牌もまた進化を続けています。

 

 

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