
こんにちは、つつみ百貨店、更新担当の中西です。
さて今回は
つつみ百貨店のトピック~お彼岸の歴史~
―― 日本人の心に根付いた季節の仏教行事と仏事用品店の役割
「お彼岸」は、日本独自に根付いた仏教行事です。
仏教の本来の教えでは「彼岸=悟りの世界」「此岸=私たちの生きる迷いの世界」を意味します。春分・秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈むため、「彼岸(悟りの世界)」と「此岸(迷いの世界)」が最も近づく日とされ、先祖供養に適した時期だと考えられました。
インドや中国の仏教文化には「お彼岸」という習慣は存在せず、日本において平安時代(約1,000年前)に独自に発展した行事とされています。特に、太陽信仰と祖霊信仰が融合する形で「お彼岸参り」という風習が広まり、仏教と日本文化が結びついた結果誕生したものなのです。
平安時代に始まったお彼岸は、鎌倉・室町期には武士や庶民にまで広まり、江戸時代には幕府が公式に「春分・秋分の日」を「彼岸の中日」と定め、寺院を通じて庶民生活に深く根付いていきました。
この頃から「墓参り」「先祖供養」「お供え物」が生活習慣として確立し、現代のお彼岸の形が形作られていきました。
江戸時代には特に「牡丹餅(ぼたもち)」「御萩(おはぎ)」などが庶民の楽しみとして定着。これらは仏前に供えるだけでなく、家族の団らんの象徴ともなり、食文化にも強く影響を与えています。
お彼岸が定着するにつれ、供養に欠かせない「仏事用品」の需要も大きく拡大しました。
線香・ろうそく:先祖の霊を迎える際に不可欠な用品として普及。
供花:仏前を清浄にし、感謝を伝えるための重要な習慣。
数珠やおりん:参拝時や法要時に欠かせない仏具として家庭にも広まりました。
特に明治期以降、都市化と核家族化が進む中で「仏壇と仏具を家庭に整える文化」が一般化。これにより、仏事用品店が「地域の供養文化を支える専門店」として存在感を高めていきました。
現代ではライフスタイルの変化により、従来のような大規模な法要は減少傾向にありますが、「お彼岸にだけは墓参りをする」という家庭も多く、依然として重要な行事です。
仏事用品店では以下のような役割を担っています:
季節に合わせた「お彼岸フェア」での提案
線香やローソク、供花のアレンジなど 現代のニーズに合った商品展開
仏壇・仏具のリフォームやクリーニングなど 供養文化の維持・継承のサポート
また、最近では「オンラインでの仏事用品販売」「配送による供花サービス」なども広がりを見せ、時代に即した形で人々の供養心を支えています。
お彼岸は、日本人が古くから大切にしてきた「先祖を敬う心」を形にした行事です。
その背景には仏教的な思想だけでなく、日本独自の自然観や生活習慣が深く関わっており、時代とともに仏事用品店業もその発展に寄り添ってきました。
今日もまた、お彼岸は多くの人にとって「心を落ち着ける時間」「ご先祖様と向き合う大切な節目」であり続けています。
そして仏事用品店は、その営みを陰で支える欠かせない存在なのです🙏✨