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こんにちは、つつみ百貨店、更新担当の中西です。
さて今回は
つつみ百貨店のトピック~盛かご~
ということで、盛かごの起源からその意味、現代でのあり方までを深くご紹介します。
日本の仏事や法要において、「盛かご(もりかご)」は、供物を美しく整えて飾る重要な文化的要素のひとつです。故人への敬意や感謝、遺族への配慮を表現する手段として、今なお多くの場で用いられています。
目次
盛かごとは、果物や乾物、缶詰、お菓子などを竹かごや台に盛りつけた供物の一種で、通夜・葬儀・法要の際に故人に供えるためのものです。特に地方によっては「供花」と並んで必須の供物として扱われる地域もあります。
日本の供養文化は仏教伝来以前から存在しており、穀物や果物を神仏に捧げる風習がありました。
仏教が伝来して以降、「食べ物を通じて功徳を積む」思想と結びつき、供物が形式化・美化されていきました。
特に江戸時代には、見た目の美しさや格式が重視され、竹細工や精巧な盛りつけが行われるように。
故人が生前に好んだ品や、季節の果物を供えることで、思い出を分かち合う
「あの世でも豊かに過ごしてほしい」という願いを込める
香典とは別に、「形として残る供え物」として渡す
法要後には参列者への返礼や分配として活用される
盛かごの内容や大きさには、地域ごとの伝統や宗派の影響が色濃く反映される
「〇〇家からの供え物」として、個人・団体の気持ちを表す形式
果物類:りんご、バナナ、みかんなど
乾物類:昆布、椎茸、鰹節など
缶詰・加工品:ジュース、缶フルーツ、菓子など
日用品系(近年増加傾向):洗剤、油、ラップなど
東北・北海道:乾物中心、和紙での装飾が丁寧
関西・中部:果物盛り合わせの需要が高い
九州:盛かご自体を高く積み上げる「段かご」様式が多い
簡略化傾向:核家族化・高齢化により、小型化・持ち帰り重視の傾向あり
カタログ供物の登場:選べる返礼品として供物をデジタルで表現
エコ意識:プラスチック包装を減らし、再利用可能なカゴや紙素材を使用するケースも増加
宗教・宗派によって避けるべき品目(肉・酒など)があるため、事前確認を
仏式・神式・キリスト教式では意味合いや作法が異なるため、TPOを意識
表書きや名札をつけて、贈り主が明確にわかるように
盛かごは、単なる供物ではなく、祈り・敬意・絆の象徴です。
目に見える形で想いを伝える日本人ならではの心遣いとして、今も多くの場面で大切にされています。
その一つひとつに込められた気持ちを汲み取りながら、故人と向き合う時間を丁寧に過ごしたいものです。